高齢者の看護に欠かせないのが、オーラルケアです。体に障害があったり、寝たきりになったりすると、自分でケアすることが難しくなるため、介助する必要があります。口中の健康を守ることで、虫歯や歯周病などのトラブルを予防することが可能です。オーラルケアを実施する際には、相手に過度のストレスを与えないように気をつけましょう。長時間の歯磨きや強いブラッシングによる痛みなど、不快感を感じさせるケアだと高齢者は当然ながら嫌がります。歯磨き自体を嫌がり、口中がどれだけ不潔になろうとも、ケアをさせてくれなくなってしまうのです。そこで、無理に歯を磨こうとせず、プライドを傷つけないよう慎重に行わなければいけません。
オーラルケアでは、口中のチェックが大切になってきます。他人に、自分の口中を見られたくないと考える高齢者は多いため、ケアへと入る前に十分に説明してその必要性を理解してもらいましょう。リラックスした状態で行い、できるだけ短時間で終わらせることで、高齢者の負担を軽減できます。介護とオーラルケアは、高齢者の自立を促すという点では同じです。できるところは自分でやってもらい、サポートは必要最小限に留めるのもポイントでしょう。最終的なチェックは看護師が行い、口中に異常がないか確かめます。虫歯や歯茎の色、舌の状態を確認しておくと、問題を早期発見できるのです。歯磨きは、虫歯や歯周病などのトラブルを抑えるだけではなく、手指のリハビリや認知症予防にも効果が期待できます。